日本食品安全検証機構とは

HACCP義務化への現場対応

中国や成長途上国のHACCP導入状況はどのようになっているか?
 

EUへの輸出認定施設(HACCPを実施している施設)は、現在、中国680施設、ベトナム460施設、韓国84施設で、日本は40施設です。 なお、中国におけるHACCPの取組について、以下に概要を紹介します。 中国政府は2014年5月から食品安全法を強化し、さらに自国の食品安全規格である「CHINA HACCP」をGFSI(世界食品安全イニシアティブ)に承認申請しています。

食品安全法の主な改正は、第一生産経営者責任制を導入し、消費者からクレームがあった場合には、まず食品を生産した経営者が代金の10倍または被害の3倍に相当する賠償金を支払うという賠償金制度を導入し、行政処罰も厳格化しました。食品に有毒・有害物質を添加したりする違法行為が発覚した場合には、許可証の取消し、および最高で貨物価値総額の30倍に相当する罰金。違法行為と知りながら、生産場所を提供したり違法な物質を提供したりした場合には、最高20万元(約320万円)の罰金。食品安全法に違反して刑事処罰を受けたり、偽りの検査報告書を出して除名処分を受けた食品検査機関の関係者は、食品検査関連の仕事に従事するこが禁止。刑事責任について、生産経営者、監督管理者、検査者などは、違法行為をした場合、刑事責任も追及される。

このような、企業側の責任の明確化、罰金や罰則の強化により、違法生産を行う零細企業や管理の甘い中国企業の淘汰が進むと見込まれる一方、生産管理を徹底している日系企業などの外資系企業への引き合いが増加する可能性があるとみる専門家もいます。

こうした罰則強化の法律改正とともに、中国国家認証認可監督管理委員会(CNCA)がスキームオーナーとして中国独自、中国発信の食品安全規格「CHINA HACCP」をGFSI(世界食品安全イニシアティブ)にベンチマークを申請しているとろであり、中国も国を挙げて食の安全性確保に対して一気に世界標準化を進めようとしています。

管理No.7@

農場HACCPが義務化されている国はありますか?
海外のHACCPの義務化というのは、処理場、加工場だけですか?

農場(一次生産段階)にHACCPを義務化している国はありません。

しかし、欧米のHACCP先進国では、「と畜場」、「食鳥処理場」、「GPセンタ」など処理場、加工場は義務化されており、その受入れ基準として農場がHACCPを実行することが要求されることから、受入れ基準を満たすために農場がHACCPに取組んでいます。
(欧米では農場から加工段階までをワンパッケ-ジHACCP「One Package」と呼んでいます)。

我が国も同様な仕組みとなると考えられます。

管理No.2@

米国PQAは義務化ではなく標準化ですか?レベルVとレベルTで販売価格に反映されますか?
 

PQAプログラムは義務ではありませんが、大手ミートパッカーとの取引条件(レベルVのクリア)となっております。

販売価格については、プレミアムなどを付けて納入できるかどうかの以前に、取引の必要条件となっていると理解されればよろしいかと思います。

管理No.2A

5ーStarプログラムの認定農場は高く卵が売れていますか?
 

5ーStarの卵が高く納入、販売されているかわかりません。

ただ、この規格は、FDAの規制(Egg Safety Rule, 2009年)を超えた、包括的で信頼性の高いFrom Farm to Tableの 安全性確保のためのプログラムで、小売業者やフードサービス企業からこの規格の取得がサプライヤーとして求められるようになっているのが現状でます。

管理No.2B  

EUのサルモネラワクチン義務化で採用されている種類はSE単味ワクチンですか、それともサルモネラ多価(例えばSE、ST、SI他)ワクチンですか?

ライオンコードほかほとんどがSEの単味ワクチンかを採用しています。多価ワクチンが採用されているのは皆無かどうかは分かりません。

管理No.2C 

EUにおけるサルモネラ保菌率削減について、検査頻度やサルモネラ菌株等を詳しく、また10%以下の農場の割合が分かれば教えて下さい。

EUにおけるS. Enteritidis and S.Typhimuriumの検査頻度と保菌率がどのように推移しているのかというご質問のようですが、残念ながら現時点ではこれらについてオーソライズされた情報を入手していませんので、今後引き続き調査していくことにします。

なお、以下にEU各国の採卵鶏農場のサルモネラ汚染率をまとめた表を示すので参照下さい。

管理No.4

〔主要国の採卵鶏農場のサルモネラ汚染状況〕(2004.10.1〜2005.9.30)
EUで実施された採卵鶏農場のサルモネラの汚染率は平均30.7%(SE:18.2%、ATM(STM):2.6%)であった


国名

デンマーク

スペイン

フランス

イタリア

ノルウェー

ポルトガル

英国

サルモネラ(%)

2.4

73.2

17.2

30.2

0

79.5

11.2

SE

1.2

48.2

3.9

3.7

0

47.7

6.3

STM

0

5.4

4.3

4.4

0

4.5

1.7

出典:農林水産省(食品安全に関する病原微生物リスクプロファイルシート) 平成21年3月6日

EUのアニマルウエルフェアとHACCPの両立に関してハードルが高い気がするが普及しているのか?
 

EUでは、2006年に子牛の隔離房の禁止、2012年に採卵鶏のバタリーケージ禁止、2013年には母豚のストール飼育の禁止などが順次実施され、生産性の面ではマイナス面もあるようですが、アニマルウェルフェアに関するコンプライアンスとして対応をしています。

また、同時に、鶏卵ではサルモネラのコントロール、牛肉や豚肉では抗生物質の残留防止など、安全性の確保を重視し、EC指令により畜産物(一次生産を除く)も含め、HACCPによる管理が要求されており、飼養(農場)段階でのハザードコントロールは必須になっています。

管理No.7A

香港に鶏卵・鶏肉を輸出していますが、香港ではHACCPは義務化されているのでしょうか。
 

香港品質保証庁はHACCP認証を計画しているようですが、現在は、日本は「輸出する際に、日本政府または国内の第三者認証機関等によるHACCP認証が必要な国・地域」とされています。


管理No.17

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